私達の身体の構造は、骨・筋肉・靭帯・腱・筋膜によって位置づけられています。
その中でも特に“筋膜”は、弾力性のある薄い膜で、筋肉・内臓・骨・関節などのあらゆる機能組織を包み込んだり、支えたり、分離させたり、結合させたりして、身体の容器としての重要な役割を担っています。
イメージ的にグレープフルーツの構造に例えるとわかりやすいかもしれません。

グレープフルーツの果肉1粒1粒はまとめられて薄い皮で包まれ支えられて1つの房になっています。
1つ1つの房は分離されつつもひと固まりに結合されていて、それが厚い外皮で包まれて1つのグレープフルーツになっています。
私達の身体も、筋肉などの果肉が筋膜という薄い皮で包まれ、支えられ、分離され、結合されて、1つの形となって保たれているのです。
そのおかげで約400ある筋肉が、それぞれの方向性と役割を持って働くことできます。
またそうしながら“筋膜”は体のいたるところにクモの巣状に張り巡らされて、体全体を支える役目を果たしています。
“筋膜”は線維性の結合組織の1つであり、クモの巣のように体中に張り巡らされていますから、ある1点のひずみ、突っ張りや癒着、縮みや緊張などの影響が、体の遠く離れた所にも現われます。
例えば、ストッキングの1点から1本の線維を引っ張ると伝線になります。
また、セーターの1点をどこかに引っ掻けて引っ張られると全体が歪んで崩れてしまいます。
同じように、線維性の結合組織の固まりである私達の身体も、例えば、足の親指から1本の線維を引っ張れば、頭の先まで伝わっていくわけです。
シンプルに考えれば、神経線維1本1本も確実に脳に繋がっていまし、血管もあらゆる部分から心臓に繋がっています。
“筋膜”も同じです。
私達の身体に見られる、経穴(ツボ)や皮膚表面の反応点、足裏の反射区などは、ある部分のひずみや内臓器官などの不調が、筋膜の伝達経路によって現われたりしているとも考えられます。
また逆にある部分の身体の構造のひずみが、内臓諸器官に伝達して機能を低下させることもあります。
実際、筋膜マッサージセラピストであり鍼灸師でもある私の臨床経験からも、筋膜の流れと経絡(ツボの流れ)、筋膜のポイントと経穴(ツボ)の位置が、一致していることが多々あるのです。
このような概念の上で、統養治療院では、患者様の症状・体の構造バランス・動きなどを観察しながら、筋膜にアプローチして施術をおこない、身体がスムーズに動けるようにし、痛みやしびれの改善、様々な症状の改善、内臓諸器官の機能改善を図っていきます。
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posted by うだけん院長 at 08:56|
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